炭鉱夫は止まらない

世の中に眠った役立ちそうなものを探して綴る雑記

家電メーカーでの機械系エンジニアのお仕事・3D CAD編

自分達が普段何気なく利用している道具やサービス
非常に身近なはずなのに、それに携わる人たちがどんな仕事をしているかはほとんどの人が知らないですよね

せっかくなので今日は僕が普段行っている仕事の一部を紹介しようと思います
これから就職を考えている人、子供の就職が気になる人たちの参考になればと思います

ジュエルがやっている仕事

僕が勤めている会社は一般家庭向けの製品から企業向けの製品まで様々なものを扱っています
メーカーというやつですね
そんな中で僕は一般家庭向けの製品の、機械設計を行っています
機械屋さん、メカ屋さんと言われる仕事です

機械設計ってなに

■携帯電話、自動車、工作機械、家電、デジカメ、時計…さまざまな機械製品のメカニズムを設計
一口に機械設計といってもその分野は広く、対象製品の規模で分類すると、プラント・重機械等の『重工業系』、自動車・電車・航空機・船舶・工作機械等の『一般機械系』、デジカメ・時計・パソコン・携帯電話等に代表される『精密機械系』、となります。例えば「より軽く・小さく・薄く」が求められる精密機械と、「強く・大きく・重く」が求められる重工業機械のように、対象とする機械の規模で技術内容は大きく異なります。 製品の企画やデザインを元に、機械部品の設計の図面作成を、CADを使って進めていきます。機械設計では材料工学、熱力学、流体力学、摩擦・摩耗・潤滑工学等の広範囲な知識が必要となります。

[引用:人材バンクネット]


この説明を読んだだけでどんな仕事かわかる人は流石にほとんどいないですかね
僕が行っているのはこの中で言う『精密機械系』の設計です

実は一口に機械設計と言っても分野によって必要な知識は全く違います
大学では機械工学を専攻し、会社でも機械系の仕事をしている僕ですが、自動車部品の設計や発電所の設計なんてこれっぽっちもわかりません

仕事に大学時代の研究は関係ない

ちょっと話が逸れますが、就職を考えている人向けに

就職活動をしている時、どうしても研究室での研究内容と就職先を一致させようとしてしまう人がいます(僕のことです)

しかし、いざ就職して同期と話してみると、研究内容なんて会社の事業と一切関係ない人がほとんどです
そして研究内容を仕事に活かす場面なんてまず訪れません(※ 研究職の人はその限りではないと思います)

なんなら必要な知識なんて高校物理のレベルでも事足りることがほとんどな気がします
力学の計算なんてシミュレーションソフトが全てやってくれますからね

仕事に必要な知識の9割は会社に入ってから身につけます
どうか研究内容で就職先の道を狭めることをしないように!

実際のお仕事・3D CAD編

ということでいよいよ実際のお仕事内容のご紹介です
と言っても、全ての仕事内容を話すとすごーく長くなってしまうため、今回はその中の極一部、今時の機械設計という感じがする3D CADでの設計についてのお話になります

3D CADってどんなの

本日紹介する3D CADでのお仕事ですが、そもそも3D CADとは何か
CADはComputer-Aided Designの略で、コンピュータを使って設計の手助けをするツールのことです
頭に3Dが付いていることから、3Dで設計するためのソフトと思ってもらえればいいです

具体的にはこんな感じのものが作れます

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あれ、なんかこの色合いどこかで見たことあるような…

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[引用:ハドソン ボンバーマンより]

ボンバーマンに似てない!?

と言うことはちょっと工夫すれば

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そっくり!

…すみませんちょっと遊んでみました
次は実際に3D CADで製品を設計する際はどんな感じになるのか見ていきましょうか

3D CADでの設計

では実際にどんなことをしていくかの紹介を

既に製品に関する企画の話が済んでいると、必要な機能を満たすための基板だとかセンサーだとかの中身が決まっていきます
ついでにデザインもざっくりと決まっていることがほとんどなので、その形に沿った部品配置を検討します

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こんな感じに各部品を3Dデータ化して配置してみます

電気屋さんと相談しながら、「基板はこんな形でOK?」という風に決めていきます
だいたいここで機械屋さんと電気屋さんがケンカします

機械屋「さっさと基板外形決めろよ!設計進まないだろ!」
電気屋「そっちで使いやすい基板外形決めろよ!その形で作るから!」
ちなみにこっちで指定した基板で作られることはまずありません

内部部品の配置が確定したら、これを入れるためのケースを設計します
強度等を考慮してケース厚みを決定し、このくらいの寸法ならできそうだ、というところまで突き詰めていきます

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これで必要な最小寸法のケースが完成しますが、このままでは無骨なケースになってしまいますね
そこで、これに肉付けをする方向で魅力的なデザインのケースに仕上げていきます
この作業は自分で行う場合もありますし、複雑な形状の場合はデザイナーに作ってもらうこともあります

そうして作りあがると、こんな感じになります

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かなり工程を飛ばしてしまった感じもありますが、ここまで来ると製品っぽく見えますね
今の時代はこの3Dデータを3Dプリンターに出力するだけで、簡単に試作することができます

こんな感じで3D CADを使った設計を行っています
ちなみにここからもうひと手間、“レンダリング”という作業を行うとより本物っぽく見せることができます
ざっくり説明すると、「光の当て方、見る角度を決めた時に、作ったデザインはこう見える」っていうのをリアルに追及する作業です

レンダリングには別途レンダリングソフトを使用します
今回はレンダリングソフトの中でも有名なKeyshotというソフトを使用しました
で、質感とか色とかを設定すると

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こんな感じになります
ここまで来ると本物っぽくないですか?

まぁこれは普通、機械屋さんの仕事ではなくデザイナーさんの仕事なんですが

ということで3D CADでの設計作業でした

終わりに

今回、普段の生活ではなかなか知り得ない機械設計のお仕事について書いてみました
3D CADでの設計というのは、僕が行っている仕事のうちのほんの一部でしかありません
また、3D CADでの設計手順についてもあくまで一例であり、製品によっては手順が大きく変わるなんてことは日常茶飯事です

とは言え、今まで全く知らなかった世界について少しでも興味を持ってもらえれば幸いです

ちなみに今回サンプルとしてi○honeっぽいものを作成していますが、僕は一切関係のない仕事をしています
自分の業界と関係ないもので、サクッと描けそうなものを適当に選んでみました
たぶん設計手順は全然違います
恐らくデザインが決まってからの設計者に無理を言って中身を詰め込んでいるんじゃないでしょうか
中身はネットにあがっている分解画像を参考にしましたが、どこかの企業から何か言われても困るのであえて雑に作成しています

そんなわけで機械系エンジニアのお仕事3D CAD編でした
需要があれば他の仕事についても書いていきたいと思います

今日はそんな感じで

ではでは~